こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
算数の難しい問題を前にして、子どもが手を止めてしまう。
「わからない」
「これ、習ってないよ」
「もう無理!」
そんな言葉が出てくると、保護者としては、ついヒントを出したくなるものです。
「ここに線を引いてみたら?」
「この数字を使うんじゃない?」
「前に似た問題をやったでしょう?」
もちろん、ヒントが役立つこともあります。
けれど、ときには少しだけ待ってみることも大切です。
子どもが考え始めるきっかけは、正しい解き方を教えてもらうことだけではありません。
「ほかに方法はないかな?」
「違う考え方でも解けるかもしれないね」
そんな言葉が、子どもの気持ちを変えることがあります。
算数の難問は、正解を出すためだけのものではありません。
自分で考え、試し、間違いを修正しながら、
解決への道筋を探す経験ができる機会でもあります。
今回は、子どもが算数の難問に挑戦したくなる、
親の声かけについて考えてみます。
同じ問題でも、道はいくつもある
例として、つるかめ算を見てみましょう。
「つるとかめが合わせて8匹います。足の数は全部で22本です。つるは何匹でしょう」
解き方は、1つではありません。
方法1:表で調べる
つるが1匹、かめが7匹なら足は何本?
つる2匹なら?
と順に書き出して、22本になる組み合わせを探します。
方法2:図にかく
8匹を丸で並べ、まず全部に足を2本ずつかきます(16本)。
残り6本を、2本ずつかめに足していくと、かめは3匹とわかります。
方法3:「全部つるだったら」と考える
全部つるなら足は16本。
実際は6本多いので、かめ1匹につき2本増えると考えて、
6÷2=3匹。かめが3匹、つるは5匹です。
どの方法でも、答えは同じです。
遠回りに見える方法が、あとで大事な理解につながることもあります。
表で調べる子は、規則に気づく力を、図にかく子は、全体を見る力を使っています。
どれも、立派な考え方です。
言いがちな言葉を、言い換えてみる
言いがちな言葉
「それはね、こうやるの」
「前に教えたでしょ」
「早くして」
「違う、やり直し」
「簡単でしょ」
言い換え
「どこまで考えた?」
「前に似た問題、あったかな」
「ここまでは合ってるね。次はどう?」
「ちょっと手ごわいね。面白そう」
難問に向かう気持ちを支える、5つの声かけ
1.「どう考えたの?」と聞く
答えが合っているかより、考え方に関心を向けます。
間違った考え方の中にも、いい着眼点が隠れていることがあります。
2.「他のやり方もあるかな?」と聞く
1つ解けたら、別の方法を探してみます。
答えを確かめる助けにもなり、「解き方は一つじゃない」と実感できます。
3.「図や表にしてみる?」と誘う
手が止まったとき、ヒントは「答え」ではなく「道具」で出します。
図、表、式。使えそうな道具を差し出すだけで、自分で進める子もいます。
4.「解けなくていいから、考えてみよう」と言う
難問は、すぐに解けなくて当然です。
解くことより、考える時間そのものを認めると、挑戦へのハードルが下がります。
5.「どこまでできた?」と聞く
解けなかったときは、できた部分を一緒に確かめます。
「ここまでは自分の力で来られた」という実感が、次の挑戦につながります。
親が答えを知っているとき
大人は、解き方も答えも知っています。
だからこそ、待つのが難しいのです。
おすすめは、答えを言う前に、
「ヒントがほしい? それとも、もう少し自分で考えたい?」
と聞くことです。
選ぶのは子どもです。
ヒントを出すなら、
「まず、全部つるだったら?」のように、考える入口だけ示します。
歩実塾から:「どうすればできる?」が、学びの入り口になる
算数の難問に挑戦することは、正解を出すためだけの経験ではありません。
自分で考え、方法を試し、間違いを見直し、別の道筋を探す経験でもあります。
子どもが「わからない」と言ったとき、
すぐに解き方を教える前に、こんな言葉をかけてみてください。
「わかっていることは何かな?」
「ほかの方法はないかな?」
「どうすればできそう?」
そして、子どもが考え始めたら、少しだけ待ってみる。
うまくいかないときには、
一緒に条件を整理したり、
ヒントを一つ渡したりすればよいのです。
算数の解き方は、一つとは限りません。
同じ答えにたどり着く方法がいくつもあることを知れば、
子どもは「わからない問題」に出会ったときにも、
すぐにあきらめずに考えられるようになるかもしれません。
「できるか、できないか」だけではなく、「どうすればできるようになるか」。
その問いかけが、
算数の難問を、子どもが自分から挑戦したくなる問題へと変えていくのです。