こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
「うちの子、勉強の仕方がわからないみたいなんです」
保護者の方から、よく聞く言葉です。
「勉強しなさい」と言えば机には向かう。
教科書も開く。
問題集も出す。
でも、しばらくすると手が止まっている。
「何を勉強しているの?」と聞いても、
「わからない」
「どこがわからないの?」と聞くと、
「それもわからない」
そんなことがあります。
これは、単純に「やる気がない」という話ではありません。
「わからない」が大きすぎると、勉強は始められない
勉強で大切なのは、
「わからない」という状態を、もう少し小さく分けることです。
保護者の方が、「どこがわからないの?」と聞くのは当然です。
でも、その質問に答えられないからといって、
本人が何も考えていないとは限りません。
この質問に答えるには、
自分の理解を一歩引いて眺め、
どこで止まったかを言葉にしなければなりません。
大人でも、慣れていないと難しい作業です。
小中学生が「全部」と答えるのは、考えていないからではなく、
整理する経験がまだ少ないからです。
また、「全部わからない」と感じていても、
たいていは一部のつまずきが全体に広がって見えているだけです。
記述式の質問を、確認の質問に変える
「どこ?」は、自由に書く記述式の問題のようなものです。
そこで、一つずつ「ここは?」と確認する形に変えます。
理科の「密度」の問題での会話を例にしてみましょう。
・親「この問題で、質量はどこに書いてある?」
・子「ここ」
・親「体積は?」
・子「ここ」
・親「密度は、どうやって求めるんだっけ?」
・子「…わからない」
ここで、問題文は読めていて、公式が出てこないことがわかりました。
「全部」ではなく、「密度の求め方」という一点です。
教えるのは、そこだけで足ります。
境目が見つかったら、そこだけやる
「理科が苦手だから最初から」では、
範囲が広すぎて始められません。
「密度の公式を覚えて、例題を1問解く」まで小さくすれば、
今日の勉強が決まります。
スタートを小さくすることが、動き出すためのコツです。
「○△×」で、わかり具合を仕分けよう
勉強が得意な子は、すべてを理解しているわけではなく、
「わかる」
「怪しい」
「わからない」
を区別するのが上手です。
ご家庭では、問題やノートに次の印をつけてもらうのがおすすめです。
・○: 何も見ずに自分で説明できる
・△: 見ればわかるが、自力では出てこない
・×: 手が出ない
△が多いなら、読み直しではなく、閉じて思い出す練習が必要です。
×が多いなら、前の単元に戻ります。
印をつけるだけで、復習する場所が決まります。
「わからない」と言える関係を
「わからない」と言えなければ、
質問もできず、わからないところが積み重なっていきます。
すると、「自分は勉強ができない」という気持ちにつながってしまいます。
「どうしてわからないの?」
「前も教えたよね?」は、
責められていると受け取られがちです。
「どこまではできる?」
「じゃあ、一緒に境目を探そう」
と声をかければ、わからないことが、探す対象に変わります。
「わからない」を置き去りにしない
勉強は、問題をたくさん解けばいいというものではありません。
間違えた問題を見て、
「なぜ間違えたんだろう?」
「どこまではできていたんだろう?」
「次は何ができれば解けるんだろう?」
と考えることも勉強です。
歩実塾では、子どもたちの「わからない」を、そのままにしないことを大切にしています。
「ここがわからない」と言える子はもちろん、
「どこがわからないのかもわからない」という子についても、
まずは一緒に「わからない場所」を探します。
そして、
「わからない」→「ここがわからない」→「ここならわかる」→「できた」
という小さな変化を積み重ねていきます。
勉強の仕方を身につけるというのは、
単に「問題集の使い方」を覚えることではありません。
自分が何を理解していて、何が理解できていないのかを、
自分で見つけられるようになること。
それが、自分で勉強できるようになるための大切な一歩です。
「勉強の仕方がわからない」
「どこからわからないのかもわからない」
そんな言葉が出てきたときこそ、
責めるのではなく、一緒に小さく分けてみてください。
そこには、その子が次に伸びるための「入口」が隠れているかもしれません。