こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
「できなかったことができるようになる」瞬間には、独特の高揚感があります。
実はこれ、気分の問題だけではありません。
脳内の「報酬系」という仕組みが関わっています。
ただし誤解されがちなのは、
「できない」という状態そのものが報酬系を刺激するわけではないという点です。
報酬系が動くのは、あくまで「できない」を乗り越えた瞬間の達成感によってです。
ドーパミンは「予想外」に反応する物質
脳の報酬系を語るうえで欠かせないのがドーパミンという物質です。
長年の研究で分かってきたのは、
ドーパミンは「うれしい出来事が起きたとき」そのものより、
「予想していたよりも良い結果が起きたとき」に強く分泌されるということです。
これを「報酬予測誤差」と呼びます。
つまり脳は、結果そのものよりも
「予想とのズレ」に強く反応する仕組みを持っているのです。
これを勉強に当てはめてみましょう。
簡単に解ける問題は、
最初から「解けるだろう」と予想できているため、
解けても予想とのズレはほとんど生まれません。
一方、「できないかもしれない」と苦戦した末にようやく解けた問題は、
予想を大きく上回る結果になるため、報酬系が強く反応しやすくなります。
「できない」を経験したあとの「できた」が特別にうれしいのは、
この予測とのギャップの大きさによるものだと考えられます。
報酬系を動かすには「小さくて分かりやすいゴール」が必要
報酬系を上手に働かせるコツは、
ゴールを小さく、はっきり※させることです。
※小さなゴールの時間的基準は、目標の規模に応じて階層的に設定します
即時レベル(5分〜10分):課題に10分だけ取り組む等
このレベルでは「完了」ではなく「着手」を評価する
週間レベル(1週間):「来週は3回○○する」と、翌週の目標を立てる等
月間レベル(1か月):3ヶ月でワーク合計250Pがゴールの場合、1ヶ月目は83P、2ヶ月目は83P、3ヶ月目は84Pというように月単位で目標を分割する等
ゴールが明確であれば、クリアした瞬間に喜びを得やすくなります。
反対に「プロジェクトを成功させる」
「第一志望に合格する」
といった大きな目標しか掲げていないと、
そこにたどり着くまで報酬系回路がなかなか働きません。
脳はご褒美をなかなか受け取れないため、
次へのモチベーションも上がりにくくなってしまいます。
スモールステップの成功が、やる気を内側から生む
ドーパミンは、達成感を得たときにも放出されます。
だからこそ、小さな目標を一つずつ設定し、
着実に成功体験を積み重ねる方法が有効です。
目標のレベルは、
今の実力より少しだけ上を意識するのがポイントです。
高すぎる目標はやる気を失わせ、
低すぎる目標では達成感が得られません。
こうしたスモールステップの積み重ねは、
「意欲や興味など自分の内側から湧いてくるやる気」、
いわゆる内発的動機付けを育て、
外から与えられるご褒美による動機付けよりも長続きしやすいとされています。
「できない」から「習慣」に変わるまでの流れ
「できない」体験が力に変わっていく過程は、次のように整理できます。
①今の実力より少しだけ高い目標を設定する
②「できない」状態に直面する(この時点ではまだ報酬系は動いていません)
③目標を分解し、日々の中に小さなゴールをいくつも作る
④その小さなゴールを一つずつクリアし、「できた」という実感を得る
⑤達成感によってドーパミンが放出され、報酬系が働く
⑥この心地よさが「また挑戦したい」という気持ちにつながり、行動が習慣になっていく
「できない」を成長に変える一番の近道
報酬系は、目標を達成したときや、
面白いと感じる出来事に出会ったときに
ドーパミンを放出するようにできています。
つまり「できない」を放置せず成長につなげるには、
「どこまで分かる?」
「何が分からない?」
「あと何ができれば解けそう?」
と考えてみましょう。
大きな目標を小さく分け、
「できない」→「できそう」→「できた」
という経験を積み重ねていく。
その一つ一つが、次の挑戦につながります。
歩実塾では、「勉強ができない」という結果だけを見るのではなく、
どこでつまずいているのかを分解して考えることを大切にしています。
今取り組んでいる勉強も、いきなり大きなゴールを目指すのではなく、
「今日はここまで」という小さな一歩から積み重ねてみてください。