2026年7月19日、北中米ワールドカップの決勝が行われました。
スペイン対アルゼンチン。
延長戦の末、スペインが1対0で勝利し、2010年南アフリカ大会以来2度目の世界一に輝きました。
僕もこの試合、テレビの前で見ていました。
でも、正直に言います。
けして「素晴らしい試合だった」と、心から拍手できる内容ではありませんでした。
■後半終了間際に起きたこと
0対0のまま迎えた後半アディショナルタイム。
アルゼンチンのエンソ・フェルナンデスが2枚目のイエローカードで退場となりました。
数的不利のまま突入した延長戦。
延長後半開始直後、スペインのフェラン・トーレスが先制点を決めます。
この1点がそのまま決勝点になりました。
そして、試合終了の笛が鳴った瞬間。
ピッチ上で一触即発の事態が起こりました。
アルゼンチンのベンチメンバーまでもがグラウンドに出てきて、スペイン選手たちともみ合いになったのです。
レアンドロ・パレデスは、相手選手の首元に手をかけて押し倒したとして、一発退場を命じられました。
ベテランのニコラス・オタメンディも、相手選手と激しい口論になりました。
今大会、アルゼンチンは1990年決勝以来となる、大会通算3枚のレッドカードという不名誉な記録を作ってしまいました。
■サッカーの歴史は、こういう瞬間と隣り合わせだった
実は、こうした出来事は今回が初めてではありません。
W杯の歴史をたどると、熱狂と暴力が紙一重だった瞬間が、何度も刻まれています。
1990年イタリア大会の決勝、西ドイツ対アルゼンチンでも、2人の選手が退場しています。
1962年チリ大会では、あまりの激しさから「サンティアゴの戦い」と呼ばれた試合がありました。
2006年ドイツ大会の決勝では、ジネディーヌ・ジダンの頭突き事件が、世界中に衝撃を与えました。
サッカーは、体と体がぶつかり合うスポーツです。
過去の歴史的な背景もある事は分かっていても
勝敗への執念が強ければ強いほど、感情も大きく揺れ動きます。
だからこそ、その感情をどう扱うかに、その人の、そしてその国、チームの「本当の強さ」が表れるのだと、僕は思っています。
■結果よりも、心に残ってしまったこと
アルゼンチンの選手たちが、120分間ずっと押し込まれながらも守り抜こうとした姿。
それ自体は、称えられるべき粘りでした。
だからこそ、最後の最後に起きた出来事が、余計に悔しく、そして悲しく感じられました。
負けた悔しさは、痛いほどわかります。
僕自身、現役時代に大きな怪我を経験し、思い通りにいかない悔しさを何度も味わってきました。
だからこそ、あの場面で必要だったのは、拳を握って歯を食いしばることだったのではないかと思うのです。
感情が爆発しそうな瞬間にこそ、その人の積み重ねてきたものが試される。
これは、ピッチの上だけの話ではありません。
■塾での学びにも、まったく同じことが言える
受験勉強にも、模試の結果にも、悔しい瞬間はたくさんあります。
思うように点数が伸びない。
頑張ったのに結果が出ない。
そんなとき、感情のままに投げ出してしまうのか。
それとも、悔しさを次への力に変えられるのか。
この差が、実は一番大きいのだと、25年間子どもたちを見てきて、強く感じています。
歩実塾では、「わからない」を置き去りにしないことと同じくらい、「悔しい」という気持ちとどう向き合うかを、大切に考えています。
結果が出ないとき、感情が乱れるのは自然なことです。
でも、その感情を人にぶつけたり、投げやりになったりするのではなく、次の一歩に変えていく力。
これこそが、勉強でもサッカーでも、そして人生でも、本当に必要な「強さ」なのだと思います。
■最後に
今回のW杯決勝は、僕にとって、素直に感動できる試合ではありませんでした。
でも、だからこそ、子どもたちに伝えたいことがはっきりしました。
勝つことよりも、負けたときの振る舞いにこそ、その人の本当の姿が表れる。
そのことを、これからも子どもたちと一緒に、グラウンドでも教室でも、伝え続けていきたいと思います。
歩実塾 倉敷北畝校 塾長 瀧
キミの「わからない」を、置き去りにしない。