こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
「物が下に落ちるなんて、あたりまえでしょ」
「何回も練習してるのに、できてあたりまえだよ」
こんな言葉を、つい口にしてしまうことはありませんか?
子どもが言うこともあれば、大人が言うこともあります。
もちろん、「あたりまえ」という言葉そのものが悪いわけではありません。
知っていることを確認したり、当然のことを伝えたりするときには、自然に使う言葉です。
ただ、使い方によっては、子どもの疑問や考える機会を奪ってしまうことがあります。
「当たり前」と言った瞬間に、考えることを終わらせてしまう。
もし、そんな使い方をしているとしたら、少しだけ言葉を変えてみませんか。
「あたりまえ」は、そこから先の入口を閉じる
「あたりまえ」と言った瞬間、その話題は「考えなくていいもの」になります。
疑問が生まれる前に、扉が閉まってしまうのです。
たとえば、「物が下に落ちるのはあたりまえ」。
でも、空気がまったくない空間なら、羽と鉄球は同時に落ちます。
月でジャンプすれば、地球より高く跳べます。
当たり前だと思っていたことの中に、「なぜ?」はたくさん隠れています。
口癖には、3つのタイプがある
同じ「あたりまえ」でも、背景は人によって違います。
私は次の3つに分けて考えています。
① 知っているから、言うタイプ
習い終わった内容や、毎年教えている内容は、どうしても簡単に見えます。
でも、先生や大人にとっての「あたりまえ」は、子どもにとっては「初めて」です。
② 隠したいから、言うタイプ
本当はよくわからないのに、「そんなのあたりまえ」と言って流してしまう子がいます。
わからないと思われたくない気持ちが、強がりの言葉になって出てきます。
③ 考えるのをやめるために、言うタイプ
「そういうものだから」と、理由を考えずに済ませてしまう場合です。
覚えた手順をそのまま使えば、その場は乗り切れますが、
少し形を変えた問題で止まります。
どれも、悪意があるわけではありません。
ただ、結果として、疑問や質問が出にくくなります。
口癖は、気づいた人から変えられます。
責める必要はありません。
「あたりまえ」に隠れる、質問できなくなる子
大人から「そんなの当たり前でしょ」と返された子は、
次から質問しにくくなります。
「こんなことも知らないと思われる」と感じるからです。
質問できない子の背景に、周りの「あたりまえ」という空気がある場合もあります。
わからないことを安心して言える場所をつくるには、
まず、「あたりまえ」を口にする回数を減らすことが近道です。
言い換えで、扉を開け直す
口癖は、すぐには変わりません。
まずは、言いかけたときに、別の言葉に置き換えてみてください。
・「あたりまえでしょ」→「どうしてそうなるんだろうね」
・「そんなの簡単」→「先生も最初は、ここで迷ったよ」
・「知ってて当然」→「どこまで知ってる? そこから話そう」
最初の一言を変えるだけで、相手は「聞いていいんだ」と感じやすくなります。
自分に向けても同じです。「できてあたりまえ」と思ったら、
「できるようになるには、何が必要だっただろう」と問い直します。
「あたりまえ」を、説明で確かめる
自分が「あたりまえ」と思っていることが、本当に理解できているのか。
確かめる簡単な方法は、人に説明してみることです。
・何も見ずに、理由まで説明できるか
・少し形を変えた問題でも、解けるか
・「なぜ?」と聞かれても、答えられるか
説明できない部分が見つかれば、そこは、まだ「あたりまえ」になっていない場所です。
これは恥ずかしいことではなく、次に学ぶ場所が見つかったということです。
学校のワークでも、一度できた問題を、
「できたつもり」だった所が見えてきます。
歩実塾から:「あたりまえ」を「どうして?」に変えてみよう
「そんなのあたりまえ」という言葉には、
悪意がなくても、考えることや質問することを止めてしまう力があります。
知っているからこそ、相手も知っていると思ってしまう。
わからないことを隠したくて、強がってしまう。
理由を考えるより、覚えた手順で済ませてしまう。
そんなときは、少しだけ言葉を変えてみましょう。
「どうしてそうなるんだろう?」
「どこまでわかっている?」
「一緒に考えてみようか」
その一言が、閉じかけた学びの扉を開くきっかけになるかもしれません。
今日、「そんなのあたりまえ」と言いそうになったら、一呼吸おいて考えてみてください。
その中に、まだ知らないことや、説明できていないことはないでしょうか。
子どもに「面白がってほしい」と願うなら、
まず大人が、あたりまえを面白がれる人でありたいと思います。
一緒に考えながら、自分で学ぶ力を育てていきます。