AIは考えた後に呼ぶ
こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です
宿題を入力すれば、数秒で答えが返ってくる。
読書感想文を頼めば、きれいな文章まで作ってくれる。
AIは、勉強を助けてくれる便利な道具になりました。
分からないことを質問したり、
英作文をチェックしてもらったり、
難しい内容を分かりやすく説明してもらったり。
上手に使えば、勉強の強い味方になります。
でも、こんな使い方を続けたらどうでしょう。
「宿題を考える前に、AIに答えを聞く」
「作文を書く前に、AIに文章を作ってもらう」
「分からない問題は、考えずにAIに解いてもらう」
そのとき、宿題は終わっていても、自分の力は本当に伸びているのでしょうか?
今回は、AIを禁止するのではなく、
「AIは考えた後に呼ぶ」という使い方について考えてみます。
調査が映した「宿題とテストの逆転」
中国で、中学・高校の生徒26,811人を30か月追った研究が報告されています。※
※中国人学生2万6000人を30カ月間追跡調査:AI活用で宿題の成績は18%向上する一方、高校入試の成績は24%低下(日本語訳)
https://news.qq.com/rain/a/20260824A03OQS00
AIを使った生徒は宿題の点数が18%上がり、
かかる時間も約3割短くなりました。
一方で、月例の試験の点数は半年以内に約20%下がりました。
入試でも、2年ほどたつと18〜24%の低下が見られたといいます。
注目したいのは、損失の中身です。
宿題を異常に短い時間で終わらせた生徒に低下が集中し、
AIを使っても完了時間が使わない生徒と同程度の生徒は、
低下が小さかったと報告されています。
また、成績上位の生徒にも影響が大きかったとされます。
上手に任せられるぶん宿題の出来が良く見えて、異変に気づきにくいのです。
ただし、この研究は査読前の報告で、対象は中国の1つの県の生徒です。
日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。
実は昔から知られている「あとで差がつく」現象
このズレは、AI以前から研究されてきました。
大学生に文章を学んでもらった有名な実験では、
5分後のテストでは繰り返し読んだグループが有利でしたが、
1週間後には、読み直す代わりに
思い出す練習をしたグループのほうが多く覚えていました。
ラクに読み返す勉強は、その場では手応えがあっても、あとで差が出るのです。
AIに答えをもらう勉強も、構造は似ています。
その場の「できた感」は得られますが、自分の頭から取り出す練習が抜けてしまいます。
「本当にできているか」の3チェック
①AIを閉じて、同じタイプの問題を解ける?
②解き方を、自分の言葉で誰かに説明できる?
③1週間後に、白紙に書き出せる?
どれか一つでも「うーん」となるなら、AIの使い方を見直すサインです。
AIは「考えたあと」に呼ぼう
おすすめは「5分ルール」です。
AIに聞く前に、最低5分間~10分間は自分で考えます。
答えが出なければ、
「ここまでは分かった、ここから分からない」
とメモするだけで十分です。
そのうえで、次のように頼みましょう。
・「答えは言わずに、ヒントだけ欲しい」
・「この解き方のどこが違う?」
・「同じタイプの問題を3問欲しい」
AIはもっともらしい間違いを返すこともあるので、教科書やノートでの確認も忘れずに。
歩実塾から:AIは「自分の代わり」ではなく「自分の力を伸ばす道具」
AIを使うこと自体が悪いわけではありません。
むしろ、これからの時代にはAIを上手に使う力が重要になっていくでしょう。
ただし、
宿題は点数のためではなく、頭を使う練習のためにあります。
その練習の部分をAIに渡さないこと。
それだけで、AIは強い味方になります。
だから、小中学生にはまず、
AIは考えた後に呼ぶ。
この順番をおすすめします。
①まず自分で考える
②AIにはヒントや確認をしてもらう
③AIの答えを自分で確かめる
④最後は自分の力で解き直す
分からない問題に出会ったら、すぐにAIを開くのではなく、
「あと少し、自分で考えてみよう」と立ち止まってみる。
その「あと少し」の時間が、考える力を育てる時間になるかもしれません。
歩実塾でも、ただ「答えが合っているか」だけを見るのではなく、
「どこで分からなくなったのか」
「なぜ間違えたのか」を大切にしています。
AIを使う時代だからこそ、
「わからない」を自分で見つける力
「どうして?」と考える力
「本当に合っている?」と確かめる力
そして、最後は自分の力で解く力
これらは、AIが身近になるほど大切になっていくのではないでしょうか。