「もし海が○○だったら?」
こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
「なぜ?」から科学は始まります。
海は「しょっぱい水がたくさんある場所」ではありません。
魚を育て、雨のもとになる水をたくわえ、太陽の熱を運んで地球全体の気温にも関わっています。
今回は、その海について「もし○○だったら?」という3つの思考実験をしてみましょう。
答えをすぐに見ないで、まず自分で考えてみてください。
①月と海のつながり
もし月がなくなったら、海はどうなる?
考えてみよう
月が突然なくなった。海の「満ち潮・引き潮」はどうなる?
A 何も変わらない
B 完全になくなる
C 弱くなる
答えは C
潮の満ち引きには、月の重力(引っ張り合う力)が深く関わっています。
月がなくなると、この力がなくなるので満ち引きはかなり弱まります。
でも「完全になくなる」わけではありません。
太陽にも重力があり、海に影響を与えているからです。
月がなくなる→潮の満ち引きが弱まる→海辺の生き物の生活が変わるかも
潮が引いたときに現れる海辺には、
カニ・貝・小魚・海藻など多くの生き物が暮らしています。
満ち引きが変われば、その環境も変わります。
月は海だけでなく、地球全体にも影響を与えています。
②海と気候のつながり
もし地球から海がなくなったら?
考えてみよう
太平洋も大西洋も、日本のまわりの海も全部消えた。地球はどうなる?
A 魚がいなくなるだけ
B 天気や気温も大きく変わる
C ほとんど何も変わらない
答えは B
海は巨大な熱のたくわえ場所です。
太陽の熱をたっぷり受け取り、海流によって別の場所へ運びます。
海がなくなると、この仕組みが丸ごと消えます。
さらに、海は「水の大きな循環」の出発点でもあります。
海の水が蒸発→雲になる→雨・雪→川・地下水→また海へ
海がなくなるとこの循環が崩れ、雨が減り、川が干上がり、植物が育たなくなります。
「魚がいなくなる」どころか、人間の生活そのものが成り立たなくなるのです。
③海流と気候のつながり
もし海がまったく動かなかったら?
考えてみよう
波も、潮の流れも、黒潮も親潮も。
海の動きがすべてゼロになったら?
A 魚が泳ぐから何も変わらない
B 海の温度や生き物に影響が出る
C 海だけが変わって陸には関係ない
答えは B
海流には熱を運ぶという大切な仕事があります。
赤道付近では強い日差しで海水が温まり、極地付近は冷たい。
海が動くことでその熱が行き来し、地球の気温のバランスが保たれています。
日本の近くにも暖かい「黒潮」と冷たい「親潮」があります。
これらがぶつかる場所には豊かな漁場が生まれます。
海が動かなくなれば、海の温度が変わり、魚の生息場所も変わります。
海流が止まる→熱が動かない→気候が変わる→魚が変わる→食卓も変わる
3つの思考実験には、共通するパターンがありました。
実験 ①月と海と生き物
遠く離れた月の力が、海辺の生き物の生活まで影響している。
実験 ②海は地球の「装置」
熱をためる・水を循環させる。海は地球全体を支える仕組み。
実験 ③動くことが大事
海が動くことで熱が運ばれ、気候も魚も食卓もつながっている。
一つのものが変わると、別のところにも影響が広がる。
これが地球の仕組みです。
ボーナス問題
もし、地球の海が今の半分しかなかったら?
雨はどうなる?気温は?海流は?日本の天気は?魚は?人間の生活は?
すぐに答えを調べなくていいです。
まず「自分はこう思う」と予想して、
「なぜそう思ったか」を考えてみてください。
そこから次の「なぜ?」が生まれます。
答えを覚えることより、「もし?」から始めて自分で考えること。
それが科学を学ぶ一番の楽しみ方です。
「なぜ?」と問い続ける力が、理科を好きにする一番の近道です。