こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
私たちはいつも、地球から宇宙を見上げています。
では、視点を逆にしたり、条件を少し変えたりしたら、何が見えてくるでしょうか。
今回は3つの「もし?」を、予想しながら考えてみましょう。
①月から地球を見たら、どう見える?
もし月に立って空を見上げたら、地球はどんな動き方をするでしょうか。
A.地球も毎日空を横切る
B.ほとんど同じ場所に見える
C.空から見えない
正解はBです。
「地球は動いていないの?」と思うかもしれませんが、
もちろん地球も自転・公転しています。
答えの秘密は、月の動き方にあります。
月は地球の周りを1回まわるのと、ほぼ同じ時間で自分自身も1回転しています。
これを「潮汐ロック(同期回転)」といい、
そのため月はいつもほぼ同じ面を地球に向けています。
この面から見ると、地球は空の同じあたりに見え続けるのです。
ただし、地球そのものが止まっているわけではありません。
地球はちゃんと自転しているので、月から見ると、大陸や雲がゆっくり動いて見えます。
日本が見えたり、アメリカが見えたりする、という具合です。
面白いのは、地球にも月と同じように「満ち欠け」があることです。
しかも、地球から見た月が満月のころ、月から見た地球はその反対に近い状態になります。
もし月から見て、地球のどの部分が明るく見えるか、
日本はどう見えるかを想像してみると、いつもの地球と月の関係が違って見えてきます。
②地球の自転軸が傾いていなかったら?
地球は、まっすぐ立って回っているわけではありません。
実は自転軸が公転面に対して約23.4度傾いています。
この傾きが、季節を生み出す大きな理由です。
A.今と同じように四季がある
B.季節の変化がかなり小さくなる
C.夏と冬がもっと激しくなる
正解はBです。
北半球が太陽のほうへ傾くと、太陽が高くなり昼が長くなるので暖かくなります(夏)。
逆に太陽から遠ざかる向きに傾くと、寒くなります(冬)。
もし自転軸の傾きが0度なら、
この太陽の当たり方の変化がかなり小さくなり、
季節の変化も小さくなります。
ただし、赤道と極では、もともと太陽から受け取るエネルギーの量が違うため、
「地球全体が一年中同じ気温になる」わけではありません。
この点は注意が必要です。
では、傾きが45度や90度だったらどうなるでしょうか。
傾きが大きいほど、季節の変化は今よりずっと激しくなります。
ちなみに、月の重力は地球の自転軸の向きが大きくふらつくのを抑える働きをしていると考えられています。
ということは、「月がなくなったら、地球の季節はどうなる?」という新しい疑問にもつながっていきます。
③ブラックホールに近づくと、時間の流れはどう見える?
宇宙船でブラックホールに近づいていく人がいるとします。
その人の腕時計は、遠く離れた場所にいる友達から見ると、どう見えるでしょうか。
A.だんだん速くなる
B.だんだん遅くなる
C.まったく変わらない
正解はBです。
これはアインシュタインの一般相対性理論が予測する現象で、
重力が強い場所ほど、時間の進み方は遅くなります。
ブラックホールの近くでは、この効果がとても大きくなります。
ここで面白いのは、本人の感じ方です。
遠くの友達には時計がどんどん遅く見えても、
本人にとっては1秒、2秒、3秒と、いつも通りに時間が進んでいるように感じられます。
「誰にとっての時間なのか」によって、話が変わってくるのです。
もし一人が地球に残り、もう一人がブラックホールの近くまで行って戻ってきたら、
地球に残った人のほうが、戻ってきた人より年を取っている、
ということも起こり得ます。時計が壊れたわけではなく、
時間そのものの進み方が、場所や動き方によって違うのです。
この「時間の違い」は、遠い宇宙だけの話ではありません。
人工衛星の時計は地上とは違う速さで進むため、
相対性理論による補正をしないと、GPSの位置情報に大きなずれが生じてしまいます。
アインシュタインの考え方は、私たちの毎日にも関わっているのです。
3つの「もし?」はつながっている
月から地球を見ると「地球はどう動いているのか」という疑問が生まれ、
地球の動きを考えると「なぜ季節があるのか」につながり、
さらに重力を考えると「重力は時間にも関係するのか」という、
より深い疑問へと進んでいきます。
科学は、答えを覚えて終わりではありません。
「なぜ?」から「もし○○だったら?」へ、
そして「では、その次は?」へと考えを進めることで、
どんどん面白くなっていきます。
今夜、月や星を見上げたときは、「もし自分があそこにいたら、
何が見えるだろう?」と想像してみてください。
そこから、あなただけの宇宙の思考実験が始まります。