こんにちは、歩実塾倉敷北畝校です。
これまで、論語の言葉を通して、
「やさしさや助け合い」
「学ぶことと考えること」
「努力を続けること」
「失敗から学ぶこと」
「子どもの話を聴くこと」
そして、
「不安になったとき、どう行動するか」
について考えてきました。
今回は、勉強をしている子どもたちが、意外と悩んでいることについて考えてみたいと思います。
それは、
「人と比べてしまうこと」
です。
「あの子はできるのに……」
学校や塾では、どうしても周りに友達がいます。
「あの子は数学が得意。」
「あの子は英語の点数が高い。」
「あの子は勉強していないように見えるのに、テストで点を取っている。」
そんなことが気になることがあります。
そして、
「それに比べて、自分は……。」
と思ってしまう。
これは、子どもだけではありません。
大人でも、
「あの人は仕事ができる。」
「あの人は何でもうまくやっている。」
と、つい自分と比べてしまうことがあります。
人と比べること自体が悪いわけではありません。
しかし、
比べることで、自分の良さや成長まで見えなくなってしまう
ことがあります。
論語にある「三人行えば」
論語には、こんな有名な言葉があります。
「三人行えば、必ず我が師あり。」
読み方は、
「さんにんおこなえば、かならずわがしあり。」
です。
意味は、
「三人で一緒に行動すれば、その中には必ず自分にとって学ぶべき人がいる。」
ということです。
ここが、とても面白いところです。
孔子は、
「人と比べて、自分が上か下かを決めなさい」
とは言っていません。
そうではなく、
「周りの人から学びなさい」
と言っています。
「比べる」のではなく「学ぶ」
例えば、友達が数学を得意にしているとします。
「自分より数学ができる。」
と考えるだけなら、
「自分はダメだ。」
という気持ちになるかもしれません。
でも、
「どうしてこの人は数学ができるんだろう?」
と考えてみる。
すると、
「毎日少しずつやっている。」
「分からない問題をすぐ質問している。」
「間違えた問題を解き直している。」
など、自分にはなかった習慣が見つかるかもしれません。
そうすれば、
「負けた」ではなく、「学ぶことができた」
になります。
これは、大きな違いです。
友達は「ライバル」だけではない
受験では、どうしても友達をライバルとして見ることがあります。
もちろん、良い意味で競争することは大切です。
「あの子に負けたくない。」
という気持ちが、勉強する力になることもあります。
しかし、友達にはもう一つの役割があります。
それは、
「一緒に成長する仲間」
です。
自分が得意なところは、友達に教える。
友達が得意なところは、教えてもらう。
分からない問題を一緒に考える。
お互いに励ます。
そうすれば、競争だけではない学びが生まれます。
教えることも、自分の勉強になる
実は、
人に教えることは、自分の理解を深めることにもつながります。
例えば、数学の問題を友達に説明するとします。
自分では「分かっている」と思っていた。
ところが、
「どうしてこの式になるの?」
と聞かれると、
「あれ? なんでだろう?」
となることがあります。
そこで、もう一度考える。
そして、自分の理解がさらに深くなる。
つまり、
教えることと学ぶことは、反対ではありません。
誰かを助けることが、自分自身の学びにもなるのです。
これは、前回までの記事で紹介してきた「助け合い」にもつながります。
「自分には何もない」と思わなくていい
逆に、
「自分は勉強が苦手だから、人に教えられることなんてない。」
と思う子もいるかもしれません。
でも、そんなことはありません。
数学は苦手だけれど、英語は得意。
英語は苦手だけれど、社会の暗記は得意。
勉強は苦手でも、友達の話を聞くのが得意。
誰かを励ますことができる。
一緒に考えることができる。
人には、それぞれ違った得意があります。
だから、
「全部できる人」になる必要はありません。
自分にできることを一つ見つければいいのです。
昨日の自分と比べてみる
では、どうすれば人と比べすぎなくなるのでしょうか。
一つの方法は、
「昨日の自分」と比べること
です。
昨日より英単語を5個覚えた。
昨日より計算ミスが一つ減った。
昨日は解けなかった問題が、今日は解けた。
昨日は質問できなかったけれど、今日は先生に聞けた。
どれも小さな変化です。
でも、
小さな変化を見つけられる人は、自分の成長にも気づけます。
成長は、いつも大きな数字で現れるわけではありません。
むしろ、毎日の小さな変化の中にあります。
「できない自分」ではなく「これからできる自分」
勉強をしていると、
「自分は数学が苦手。」
「英語ができない。」
という言葉を使うことがあります。
でも、
「できない」
と決めてしまうと、そこで思考が止まってしまいます。
そこで、
「今はまだできない。」
と考えてみる。
この二つは似ているようで、大きく違います。
「できない」は、終わりの言葉。
「今はまだできない」は、途中の言葉です。
途中なら、
これからできるようになる可能性があります。
塾は「競争する場所」だけではない
歩実塾では、
もちろん成績を上げることを大切にしています。
目標に向かって努力することも大切です。
しかし、
「誰かに勝つためだけに勉強する」
という考え方ではありません。
自分自身が少しずつ成長する。
分からなかったことが分かるようになる。
できなかったことができるようになる。
そして、誰かが困っていたら助けることもできる。
そんな学びの場であってほしいと考えています。
論語の言葉を、今日の教室で
「三人行えば、必ず我が師あり。」
周りにいる人は、すべて自分の先生になり得る。
そう考えてみると、友達の見え方も少し変わります。
「あの子は自分より成績がいい。」
ではなく、
「あの子の勉強の仕方から、何か学べないかな?」
と考える。
「あの子は自分より苦手だ。」
ではなく、
「自分に教えられることはないかな?」
と考える。
そうすると、
競争が、学びに変わります。
そして、
比較が、成長のきっかけに変わります。
誰かと同じになる必要はない
人には、それぞれ得意・不得意があります。
覚えるのが早い人。
じっくり考える人。
すぐ質問できる人。
何度も繰り返して身につける人。
どれが正解というわけではありません。
大切なのは、
「自分に合った学び方を見つけていくこと」
です。
だから、
「○○さんはできるのに、自分はできない。」
と落ち込む必要はありません。
その人から学べるところがあれば、取り入れてみる。
そして、自分自身のやり方を少しずつ作っていけばいいのです。
今日、一つだけ「学べるところ」を探してみる
もし今日、友達と一緒に勉強することがあったら、
「自分よりできるところはどこだろう?」
と一つ探してみてください。
そして、
「どうやって勉強しているの?」
と聞いてみる。
逆に、
「ここなら自分が教えられる。」
というところがあれば、教えてあげる。
それだけでも、教室はもっと学び合える場所になります。
歩実塾では、
「自分だけが成長する」のではなく、「お互いに成長できる環境」
を大切にしています。
人と比べて落ち込むのではなく、
人から学ぶ。
自分ができることは、人に返す。
そして、昨日の自分より少し前に進む。
そんな学び方ができれば、勉強はもっと豊かなものになると思います。
「三人行えば、必ず我が師あり。」
今日出会う人の中にも、
自分が学べることを持っている人がいるかもしれません。
そして、もしかすると、
あなた自身も、誰かにとっての「先生」なのかもしれません。