今回のワールドカップは、試合そのものだけでなく、その周辺でもいろいろな出来事がありました。
今日は、その一部を振り返りながら、感じたことを書いてみようと思います。
■大統領が動いた、退場処分をめぐる騒動
大会中、アメリカ代表のフォルケ・バログン選手が決勝トーナメント1回戦でレッドカードを受けました。
本来であれば、次のベルギー戦は自動的に出場停止となるはずでした。
しかし、この処分は一転、1年間猶予されることになります。
その背景に浮上したのが、トランプ大統領がFIFAのインファンティノ会長に電話をかけていたという事実でした。
大統領本人は「あのプレーはファウルだと思わなかったので、再考を求めただけだ」と説明しています。
インファンティノ会長も、電話があったことは認めつつ、決定はFIFAの独立した機関によるものだと強調しました。
しかし、アメリカと対戦するベルギーのサッカー協会は、「レッドカードによる出場停止は明記されたルールであり、それを覆すのは正当化できない」と猛反発。
ヨーロッパサッカー連盟も「一線を越えた」とFIFAを批判しました。
専門家からは「サッカーという競技そのものの信頼性が傷つく」という指摘も出ています。
■日本代表にも、納得のいかない判定がありました
今大会、日本代表も、審判の判定に何度も苦しめられました。
グループステージのスウェーデン戦では、田中碧選手や堂安律選手への判定をめぐって、疑問の声が相次ぎました。
決勝トーナメント1回戦のブラジル戦では、後半、中村敬斗選手のクロスが相手選手に当たってラインを割ったように見えた場面がありました。
しかし、判定はコーナーキックではなくゴールキック。
そのわずか2分後、日本はブラジルに同点ゴールを許し、結果的に1対2で逆転負けを喫しました。
「あの判定がなければ」という悔しさは、テレビの前で見ていた僕にも、痛いほど伝わってきました。
■それでも、日本は暴力に訴えなかった
納得のいかない判定。
悔しい敗戦。
それでも、日本の選手たちは、審判に詰め寄ることはあっても、暴力的な行為に及ぶことはありませんでした。
ピッチの上で、最後まで戦う姿勢を崩さなかった。
そして、負けたときも、相手への敬意を忘れなかった。
これは、当たり前のようでいて、実はとても難しいことです。
不公平だと感じる出来事があっても、それをどう受け止め、どう行動するか。
そこに、その人の、そしてそのチームの品格が表れるのだと思います。
■不公平さと、どう向き合うか
この夏、子どもたちにも、思うようにいかないことがたくさんあると思います。
頑張ったのに、テストの結果が出なかった。
周りと比べて、自分だけ遅れているように感じる。
時には、「なんで自分だけ」と思うような、理不尽に感じる出来事もあるかもしれません。
そんなとき、大切なのは、その悔しさをどこにぶつけるかです。
人を責めたり、投げやりになったりするのではなく、次の行動に変えていく。
そういう姿勢を、僕は子どもたちに伝えていきたいと思っています。
審判の判定は変えられません。
大統領の電話も、僕たちにはどうすることもできません。
でも、自分がどう振る舞うかは、自分で選ぶことができます。
今大会の日本代表の姿は、そのことを、改めて教えてくれた気がします。
歩実塾 倉敷北畝校 塾長 瀧
キミの「わからない」を、置き去りにしない。