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政治に興味が持てない国・日本

――どうすれば、私たちは変われるのか

「政治の話は難しい」 「誰に入れても同じ」 「自分一人が行っても変わらない」

日本で生きていると、こういう言葉をよく耳にします。

私もずっと、そう思っていた時期がありました。

でも今回の一連の事件を経て、改めて考えています。

この「無関心」は、どこから来るのだろうか。

そして、どうすれば変われるのか。


まず、現実を直視する

統一地方選挙における都道府県議会議員選挙の投票率は低下が続いており、2023年は41.85%と過去最低を記録しました。

10人に6人が、地元の選挙に行っていない。

これが今の日本の現実です。

全世代の投票率は55.93%にとどまっており、国政選挙でも50%台の停滞が続いています。

半分近くの人が、「この国の方向を決める作業」に参加していない、ということです。

ただ、少し希望の光もあります。

2025年の参議院選挙では投票率が58.51%と前回より上昇し、18歳・19歳の若者の投票率も35.42%から41.74%へと増加しました。

小さな変化かもしれませんが、変われる兆しはあるのです。


なぜ日本人は「政治離れ」したのか

私なりに、25年の経験から考えてみます。

ひとつには、「学校で政治を語ってはいけない」という空気があったと思います。

私が学校で教わったのは、「政治的中立」という言葉でした。

でも「中立」の名のもとに、実際には「政治の話はしないほうがいい」という空気が教室を覆っていた。

政治は「難しくて危ない話」になっていった。

もうひとつには、「自分の生活と政治がつながっている」という実感がないこと。

税金がなぜ上がるのか。 年金がなぜ減るのか。 なぜ子育てがこんなに苦しいのか。

それが「政治の結果だ」という回路が、多くの人の中でつながっていない。

政治は「テレビの向こうの話」になっている。


では、どうすれば変わるのか

正直に言います。 魔法のような答えはありません。

でも、私が思う「現実的にできること」をいくつか書いてみます。


① まず、「身近な選挙」から始める

国政選挙より、市議会議員選挙や県議会議員選挙のほうが、一票の重みが大きいのです。

有権者の数が少ない分、自分の一票が結果に直結しやすい。

しかも地方政治は、道路、学校、ゴミの収集、地域の安全など、毎日の暮らしに直接かかわる話を決めています。

「国政は遠い」と感じる人ほど、まず地元の選挙から入ってほしいと思います。


② 「誰に入れるか」より「何に関心を持つか」から始める

「候補者がよくわからないから投票できない」

そういう声をよく聞きます。

でも順番が逆でもいいんです。

「農作物の盗難を減らしてほしい」 「子育て支援を充実させてほしい」 「地域の安全を守ってほしい」

まず自分が気になること、不満に思うことを言葉にする。

その言葉に近いことを言っている候補者や政党を探す。

それだけでいい。

完璧に理解してから投票する必要はありません。


③ 子どもと一緒に「選挙の日」を過ごす

これは、私が塾長として最も強調したいことです。

神奈川県では全国に先駆けて小・中学校でも主権者教育を実施し、政治家へのインタビューなどを通じて「政治や政治家へのイメージが変わった気がする」と答える生徒もいました。

学校の取り組みも大切ですが、家庭でできることも大きいのです。

選挙の日に、子どもを投票所に連れていく。

「今日、お父さん(お母さん)は、こういうことを考えて、この人に入れたよ」と話す。

それだけで、子どもの中に「選挙は大人がするものだ」という記憶が刻まれます。

投票に行く親の背中を見た子どもは、大人になっても選挙に行く。

これは25年間、子どもたちを見てきた私の実感です。


④ 「政治の話をしてもいい」空気をつくる

日本では、職場や家庭で政治の話をすることをためらう文化があります。

でも、それ自体が問題だと私は思っています。

「あの道路、また工事してるな。市議会で何か決まったのかな」 「学校の給食費が変わるらしいね。誰が決めたんだろう」

そういう日常の雑談の中に政治を持ち込むこと。

難しい話でなくていい。 「選挙、行った?」の一言でもいい。

政治を「遠い話」から「隣の話」に引き寄せることが、何より大事だと思います。


変えるのは、制度より「文化」

民主主義はみんなでつくり上げるもので、他者との対話が重要です。日々の暮らしの中で対話を重ねて意思決定をすることで、「自分は社会を変えられる力を持っている」という実感につながります。

この言葉が、すべてを言い表していると思います。

投票率を上げるための制度改革も必要です。 ネット投票の整備も、議論すべきことです。

でもそれ以上に大切なのは、「自分の一票は意味がある」という感覚を、社会全体で育てることだと思います。


塾長として、私にできること

私は教育者として、これからも伝え続けます。

勉強は、テストのためだけにあるのではない。

社会を読む力、自分で考える力、声を上げる力を育てるために、学ぶのだと。

勉強ができれば、政策の中身を読める。 算数ができれば、税金の計算ができる。 国語ができれば、政治家の言葉の裏を読める。

学力と政治参加は、つながっています。

塾の先生をやっていて、よかったと思える瞬間のひとつは、子どもたちが「なんで?」と聞いてくれるときです。

その「なんで?」を、政治にも向けてほしい。

それが、安全で豊かな日本を守る、最初の一歩だと信じています。

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