お金って、なんだろう。
NISA・株・投資を考える前に、立ち止まってみたいこと
お金の話をする前に、少し昔のことを想像してほしい。
魚をたくさん獲った人が、米をたくさん持っている人と交換する。
それが「物々交換」のはじまりだ。
「あなたの魚が欲しい」「私の米と交換しよう」。
シンプルだけど、それは人と人がつながる行為だった。
やがて、「何とでも交換できる共通のもの」が生まれた。
それが「お金(貨幣)」だ。
便利になった。みんなが同じルールで動けるようになった。
でも、そこから少しずつ「おかしなこと」が起き始めた。
いつの間にか、お金は「手段」ではなく「目的」になった。
お金がお金を産む仕組みができた。
株、投資、金融商品。
働かなくても増える人と、働いても増えない人。
その差は年々、広がっている。
さらに言えば、お金は政治を動かす。
選挙、ロビー活動、軍事産業。
「どの国と戦争するか」「どの企業が儲かるか」。
そこにも、巨大なお金の流れがある。
これが「現代のルール」だ。
だから今、「NISAをやれ」「株をやれ」という声が大きい。
資産形成、老後2000万円問題、インフレ対策。
確かに、知っておくべきことではある。
でも、そこに乗っかる前に、一度立ち止まってほしいのだ。
「お金のゲームに参加しないと損をする」
それは本当だろうか?
たとえば、地域のつながりを大切にして、
畑で野菜を育てて、お裾分けし合って生きる。
それは「損な生き方」なのだろうか?
スキルや知識を、お金を介さず直接交換する。
「あなたの力を貸して。かわりに私の力を使って」。
物々交換の現代版は、すでに各地で始まっている。
私はNISAや株を「やるな」と言いたいわけではない。
制度として理解し、使えることは大事だ。
でも、それだけが「賢い生き方」ではない、とも思う。
「お金のルールに全力で乗る人生」と、
「お金に振り回されない生き方を選ぶ人生」。
どちらが正解かは、自分で決めていい。
塾で子どもたちと話すとき、私はよくこう聞く。
「将来、何がしたい?」
「お金持ちになりたい」という答えが返ってくることもある。
そのとき私は、もう一度聞く。
「お金持ちになって、何をしたい?」
大切なのは、その「何をしたい」のほうだ、と思っているから。