変な名前がついている理由
こんにちは、倉敷市北畝の歩実塾です。
「なんで惑星って『惑う星』って書くの? ちゃんと太陽の周りを回っているのに」
――理科の授業や図鑑をきっかけに、こんな質問をされたことはありませんか。
水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星。太陽系の惑星たちは、
みんな規則正しく太陽の周りを回っています。
それなのに、なぜ「迷っている星」という名前がついているのでしょうか。
実は、この名前には昔の人が夜空を観察して気づいた、
惑星の不思議な動きが関係しています。
今回は、小学生・中学生のみなさんにもイメージしやすいように、
「惑星」という名前の由来と、惑星が不思議な動きをして見える理由を解説します。
地球から見ると、たしかに「惑って」見える
実は、この名前は宇宙から見た動きではなく、地球からの「見え方」に由来しています。
惑星を表す英語 planet のもとになったギリシャ語は「さまよう者」という意味を持つ言葉で、
これが日本語に訳される際に「惑星」という名前になりました。
夜空に光る星のほとんどは、時間とともに東から西へ、規則正しく動いて見えます。
ところが惑星だけは違います。
ある時期は東から西へ、また別の時期には反対に西から東へと、進む向きを変えるように見えるのです。
この不思議な動きこそが「惑う星」という名前の由来になっています。
なぜ惑星は「逆向き」に動いて見えるの?
ここが、面白いところです。
実際には、惑星が突然逆方向に進み始めているわけではありません。
原因は、
地球とほかの惑星が、違う速さで太陽の周りを回っているからです。
火星を例に考えてみましょう。
地球が太陽の周りを1周するのには約365日かかります。
一方、火星は約687日かかります。
つまり、
地球のほうが火星より速く太陽の周りを回っています。
この「速さの違い」が、惑星の不思議な動きを生み出します。
地球が火星に近づいていくとき
地球が火星に近づいているとき、
地球から見ると、火星は普通に前へ進んでいるように見えます。
ところが、地球は火星より速く動いているため、
やがて火星に追いつきます。
そして……
地球が火星を追い越します。
ここで、見え方が変わります。
「追い越す」と、後ろに動いて見える
これは、車に乗っているときのことを考えると分かりやすいかもしれません。
高速道路で、自分の車がゆっくり走っている車を追い越すとします。
追い越す瞬間、その車は自分から見ると、
後ろへ動いていくように見えます。
実際には、その車も前へ進んでいます。
それと同じです。
火星はずっと太陽の周りを同じ向きに公転しています。
しかし、地球が火星を追い越すことで、
地球から見た火星が、一時的に逆方向へ動いているように見えるのです。
これを「逆行」といいます。
「動いているもの」と「見えている動き」は違う
ここには、理科を勉強するときに大切なポイントがあります。
私たちは普段、「見えているもの=実際の動き」と考えてしまいがちです。
でも、そうとは限りません。
たとえば、電車に乗っていると、隣の電車が動き始めたとき、
「自分の電車が動いた?」と感じることがありますよね。
実際には隣の電車が動いているだけなのに、自分が動いたように感じることがあります。
これも、自分がどこから見ているかによって、動きの見え方が変わる例です。
惑星の逆行も同じです。
実際の動き
惑星は太陽の周りを規則正しく公転している。
地球からの見え方
惑星が一時的に逆方向へ動いているように見える。
この違いを理解すると、惑星の「逆行」がかなり分かりやすくなります。
「見る場所」が変わると、見え方も変わる
宇宙の勉強で大切なのが、「どこから見ているのか?」という視点です。
地球から見ると、惑星は不思議な動きをしているように見えます。
しかし、太陽系全体を宇宙から見れば、地球も火星も、それぞれ太陽の周りを規則正しく回っています。
つまり、
「惑星が惑っている」のではなく、「地球から見ると惑っているように見える」
ということです。
この違いが分かると、天体の動きが一気に面白くなります。
理科では「図を描く」と分かりやすい
惑星の動きは、文章だけで理解するのが難しいところです。
そこでおすすめなのが、自分で簡単な図を描いてみること。
紙の中央に太陽を書き、その周りに地球と火星の軌道を描いてみましょう。
そして、
- 地球はどちら向きに進む?
- 火星はどちら向きに進む?
- どちらの公転速度が速い?
- 地球が火星を追い越すとどう見える?
と順番に考えてみます。
「地球が火星を追い越す」という場面を実際に図で動かしてみると、
なぜ逆行して見えるのかが理解しやすくなります。
「なぜ?」を一つ深く考えてみよう
理科では、用語を覚えることも大切です。
「公転」
「自転」
「逆行」
「惑星」
こうした言葉を覚えることは、テストでも必要です。
でも、それだけで終わってしまうと、少し問題の聞き方が変わったときに分からなくなることがあります。
例えば、
「火星が逆方向に動いているのはなぜですか?」
と聞かれたら、
「火星が本当に逆方向に動いているから」
ではありません。
「地球と火星の公転速度が違い、地球が火星を追い越すため、地球から見ると火星が逆方向に動くように見える」
というところまで理解できれば、知識がしっかりつながります。
歩実塾から|勉強で大切なのは「答え」だけではありません
今回の「惑星」という言葉も、
「惑星=太陽の周りを回る天体」
と覚えるだけなら、数秒で終わります。
でも、「どうして惑う星っていう名前なの?」と疑問を持つと、
「昔の人はどう見ていたのだろう?」
「なぜ逆向きに見えるの?」
「地球と火星の速度が違うから?」
と、次々に疑問が生まれます。
こうした「なぜ?」を一つずつ解決していくことが、理科を本当に理解することにつながります。