見えない価値
最近、サッカーやスポーツの世界で、こんな風潮を感じます。
目に見えるデータでしか、選手を評価しない。
走行距離、シュート数、パス成功率。
数字で表せるものだけが、価値として扱われていく。
もちろん、データは大切です。
客観的に選手を見るための、ひとつの指標になります。
けれど。
それだけでは、絶対に測れないものがあります。
チームの空気を変える力。
味方が声を出しやすい雰囲気をつくる力。
何気ない一言で、チーム全体の士気を引き上げる力。
そして。
相手を追い込んでいく、目に見えない圧力。
データには残らないけれど。
試合の流れを、確かに動かしている力です。
25年間、指導者として、たくさんの選手を見てきました。
スタッツには表れない選手が。
チームを勝たせていた場面を、何度も見てきました。
だからこそ、思います。
私は、そこが見える指導者でありたい。
数字の裏側にある、その選手にしかできない仕事。
そこを見つけて、言葉にして、伝えてあげたい。
これは、サッカーだけの話ではありません。
学習の世界にも、同じことが起きています。
テストの点数。
偏差値。
目に見える数字だけで、子どもを評価してしまう。
その気持ちは、よく分かります。
数字は分かりやすいし、比べやすい。
けれど。
点数の裏側には、その子にしか見えていない努力があります。
前回、間違えた問題を、今日はちゃんと解けたこと。
分からないことを、恥ずかしがらずに聞けるようになったこと。
諦めずに、最後まで机に向かい続けたこと。
点数だけを見ていたら。
その変化には、気づけません。
私は、その奥にある部分が見える教育者でありたいと思っています。
子どもたち一人ひとりの、目に見えない成長を。
見逃さずに、拾い上げていきたい。
数字は、結果のひとつでしかありません。
その手前にある、努力や変化や成長。
そこにこそ、本当の価値があると、私は信じています。
目に見えるものだけを追いかける社会だからこそ。
目に見えないものを見る力を、大切にしたい。
そう思いながら、今日も子どもたちと向き合っています。
歩実塾 倉敷北畝校 塾長 瀧
キミの「わからない」を、置き去りにしない。