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過去の生徒について⑦

―“やんちゃ”の中に光る才能―

これまで、たくさんの子どもたちと出会ってきました。

その中には、最初の印象から想像もつかないような成長を見せてくれる子もいます。

今日は、そんな一人の中学3年生の男の子の話をしたいと思います。


外で話していた“3人組”との出会い

ある日の夕方、塾の前で、やんちゃな雰囲気の子たちが3人ほど話していました。

授業中だったこともあり、塾の子たちの集中を妨げてはいけないと思い、

私は外に出て、そのうちの一人に声をかけ、話をしました。

初めは軽い会話からでしたが、意外にもすぐに打ち解け、

気が合ったのか、「先生、勉強頑張るわ!」と笑顔で言ってくれました。

まさか本当に入塾してくれるとは思っていませんでしたが、

後日、お母さまと一緒に手続きに来てくれたのです。

それが、この子との出会いの始まりでした。


“できるのにやらない”タイプの少年

彼は車屋さんの息子で、家庭はとても裕福。

野球も上手で、クラブチームでは実力のある選手でした。

けれど、仲間やコーチとの関係がうまくいかず、

野球を辞めてしまったそうです。

その後は、友達と過ごす時間が増え、

少し“自由気まま”な日々を送っていたようでした。

勉強もできる力を持っていたのに、

なかなか本気になれない――そんなタイプの子でした。


細やかな“気づき”の才能

塾に通うようになってからは、

授業だけでなく、いろんなところで彼らしさを見せてくれました。

たとえば、塾の張り紙の誤字や、掲示のちょっとした変化をすぐに見つけて、

「先生、ここ間違ってるよ」と指摘してくれるのです。

誰も気づかないような細かいところに目を向けられる感性。

私はその姿に、

「この子は、きっと人とは違う角度で世界を見ている」

そんな光る才能を感じていました。


“自分の道”を見つけて

彼なら私立高校にも余裕で合格できる力がありました。

けれど、本人は受験にあまり関心を示さず、

結果的に通信制高校への進学を選びました。

「高校を出たら、お父さんの仕事を継ぐ」

そう話してくれたとき、

私は少し驚きながらも、彼なりの“人生の芯”を感じました。

自由に見えて、しっかりと未来を考えていたのです。


塾長として思うこと

「やんちゃ」と呼ばれる子ほど、実は心が繊細で、

周囲をよく観察しているものです。

彼のように、

“勉強だけでは測れない力”を持つ子どもたちはたくさんいます。

その個性に気づき、尊重し、

少し背中を押してあげるだけで、

自分の未来を見つけていけるのだと思います。

塾は、そんな“可能性の芽”を見逃さない場所でありたい。

そう思わせてくれた、大切な一人の生徒でした。

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