本を読むという“冒険” ─ 自分と違う考えに出会うということ
塾で子どもたちと話していると、
「この本は好きじゃないから読まない」
「自分に関係なさそうだから読まない」
そんな言葉を耳にすることがあります。
かつての私も、若い頃は“興味のあるものだけ”を選んでいました。
でも不思議なもので、歳を重ね、いろんな生徒や保護者の方と出会ううちに、思うようになりました。
人は、自分が知らない世界に触れたときに、器が大きくなる。
そしてその最も身近な方法が、本を読むことなのだと。
■ 本は「自分では歩けない世界」へ連れていってくれる
本を開くと、
自分とは違う考え、自分とは違う人生、自分が選ばなかった別の道が広がっています。
時には反発したくなるような意見もある。
読んでいて心がザワザワすることだってある。
でも、その“ザワザワ”こそが大事なんです。
同じ考えだけに囲まれていると、心は居心地はいいけれど、成長は止まってしまう。
あえて違う意見に触れることで、
- なぜ自分はこの考えなのか
- どんな価値観で世界を見ているのか
- 他の人はどんな道を歩いてきたのか
……そんな問いが湧き、ひと回り大きな自分になっていきます。
■ 「経験」は本の“現実版”
本を読んで知識を得て、
実際に体験して体が理解する。
この2つがそろうと、人間の成長は一気に加速します。
たとえば、
自分が苦手だと思っていた人とあえて話してみる。
興味のない分野の講演会に行ってみる。
普段選ばないジャンルの本を読んでみる。
その一歩が、人生の景色を変えるきっかけになります。
■ 器の大きさは「どれだけ違いを受け入れたか」で決まる
子どもたちには、ただ知識を増やすための読書ではなく、
人としての幅を広げる読書をしてほしいと思っています。
器を大きくするとは、
「みんな違って当たり前だよな」と
自然に思える心を育てること。
そしてそれは、
たくさんの“違う世界”を知った人にしか持てない視点です。
■ 最後に:本を読むというのは、自分を育てる習慣
自分とは違う考えの本を読むことは、
ときに疲れるし、面倒に感じることもあります。
でも、読み終えたときには必ず、
“昨日より少しだけ広い景色”が見えるようになっている。
その積み重ねが、
子どもたちの未来を豊かにし、
大人になってからの選択肢を増やしていきます。
今日もまた、一冊の本を手に取ってみませんか。
あなたの器を、そっと広げてくれる一冊が、そこにあるかもしれません。