「太陽の光の裏にある影」ソーラーパネルと環境を考える
最近、山を削ってソーラーパネルを設置している光景をよく見かけます。
空き地や田んぼの跡地、果ては森の中まで。
気がつけば、自然の緑の代わりに、黒く光るパネルが広がっている場所もあります。
一見すると「再生可能エネルギー」であり、地球にやさしいように見えます。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
今日は少しだけ、その“光の裏側”について考えてみたいと思います。
■誰が儲かるのか?
ソーラーパネルを設置すると、電気を売ることができます。
国の「固定価格買取制度(FIT)」によって、
一定期間は電力会社が高い価格で買い取ってくれる仕組みがありました。
つまり、設置した人——正確には“設備を持っている会社”が利益を得るのです。
ただし、実際には大企業や外資系ファンド、投資会社が土地を買い、
地元業者は設置作業だけというケースも多くあります。
「地元の自然を削って、利益は県外や海外へ」
——そんな構図になっている場所も少なくありません。
■環境問題の裏側
山を削るということは、ただ木を切るだけではありません。
木々の根がなくなれば、雨が降ったときに土砂が流れやすくなります。
結果として、土砂崩れや洪水のリスクが高まります。
さらに、太陽光パネルは寿命が20〜30年ほど。
寿命を迎えたパネルは、有害物質を含んでおり、
大量の廃棄問題がすでに全国で起き始めています。
「自然エネルギーのはずなのに、自然を壊している」
そんな矛盾が、今まさに私たちの身近な場所で起こっています。
■なぜこうなったのか?
背景には「環境」よりも「お金」を優先した仕組みがあります。
地球にやさしい、クリーンエネルギー
そう言われれば、誰でも“いいこと”だと思ってしまいます。
でも、その裏で利益構造をつくった人たちがいて、
地方の山や田んぼが“お金を生む装置”に変えられてしまったのです。
■本当に地球に優しい選択とは
もちろん、太陽光発電そのものが悪いわけではありません。
屋根の上に設置したり、すでに使われていない土地を再利用したりと、
自然を壊さずに導入する方法はいくらでもあります。
大切なのは、「バランス」と「背景を考えること」。
表面の“きれいな言葉”に惑わされず、
その奥にある意図や影響を見抜く力を持つことだと思います。
■子どもたちへ“考える力”を持とう
ニュースで「環境にやさしい」と言われると、
ついそのまま信じてしまうかもしれません。
でも、世の中には“やさしいように見えて、そうでないこと”がたくさんあります。
何が正しいかは、誰かが教えてくれるわけではありません。
自分の目で見て、考えて、判断していくことが大切です。
■保護者の方へ
お子さんとニュースを一緒に見る時間を作ってみてください。
「どう思う?」と問いかけてみるだけで、子どもの思考は動き出します。
正解を教えるのではなく、
“自分で考えるきっかけ”を与えることが、これからの時代に必要です。
私たちは、自然の中で生かされています。
太陽の光も、水も、風も、すべて“借りている”もの。
だからこそ、その使い方を間違えないように
子どもたちには、光の向こうにある“影”を見抜く目を育ててほしいと思います。―そんな疑問を共有できる場が、学びの深さを作ると思います。